映画『道行き』御所市上映会② いち葬儀屋さん目線編

映画『道行き』
一つの映画で、まさかの二本立て。
ネタがないんちゃう?と思ったあなた。
……それも否定はできませんが(笑)

さて、葬儀屋さん目線なんてタイトルに書いては見たのですが、
私の仕事は葬儀屋さんであり、納棺師です。

この映画を見て感じたのは、私が立ち会う現場でご遺族様から聞くお話の、その前のシーンを見ているという感覚でした。
どゆこと?ってなると思うんですが・・・

私はいつも、納棺の現場やお葬儀のサポートをしている時に、故人様のお話を伺うのですが、大概の人は、有名な方達という訳ではない、一市民の方の人生に触れさせてもらう訳なのです。
ご年配の方がお亡くなりになられた時には、その子供さんやお孫さんからお伺いする、いちおじいちゃんや、おばあちゃんのお話です。

その、世間でよく言う言い方を借りれば、何者でもない一市民である故人様、お一人お一人のご生前のお話がそれぞれ魅力にあふれていて、毎回ショートムービーを見ている感じなのです。
(何者でもないという言葉に不快感を覚えた方はごめんなさい。見下しているとかそういう気持ちは微塵もありません。)

この映画『道行き』は、若い青年に昔の話をするご老人が登場されますが、私は、たとえて言うなら、そのご老人がお亡くなりになられた後のご遺族様とお話をしている。という部分を受け持っているという感覚です。

お亡くなりになられたその方のお話を、ご遺族様から教えていただく度に
いつも思うのです。
「生きておられる間に、お話を聞きたかったなぁ」と。

その『生きてはる時のお話してはる姿』を見ている気分になったというのが、納棺師目線での感想です。

めっちゃわかりにくいと思うし、ここで書くことか?とも思ってはいますが、ちょっと言いたくなってしまったので、読者もすくないし、言葉として書き残してみることにしたのです。

映画の解釈でもなんでもないし、映画を本当に愛してる方や、監督のファンから見たら、何言うてはるん?と思うと思うんですが。

いつもいつも、生きてはる時の姿を思い描いて、表情を整えたり、お別れのサポートをしたりしているので、生きてはる時の映像が見れたなら、とっても嬉しいだろうなと思っているわけなんですよ。

映画の中で、梅本さんが語る姿を見ながら、
「ああ、生きているおじいちゃんがしゃべってる」
と、胸がきゅっとなりました。

そのくらい、お芝居じゃない、リアルな人間の姿が映し出されていて、そこがものすごく心地よい映画だった。
駒井役を演じておられる渡辺大知さんもすごくよくて。
ドキュメンタリー感がありながらも、ドキュメンタリー映画を作りたかったわけではないんだろうなという、リアリティーと作り物の間の空気感のようなものが、モノクロームで映し出されるノスタルジックな街並みや、梅本役の桐竹勘十郎さんの所作や声のトーンが相まって何とも言えない余韻を生み出している映画でした。

そうそう!
実は今、私もこの『道行き』と同じような事に向き合っておりまして・・・

先月にお葬儀のお手伝いをさせていただいたご遺族様。
おばあちゃんが残された田畑や、古民家の相続に悩んでおられ、相談を受けているのです。

そのおうちは、田んぼもついている大きな古民家。
私たちも、御所市に安置所兼事務所を構えたいとは思っているので、是非使ってくださいと言ってはいただいたものの、少々静かな場所にあるため、夜中に車で出入りするには気を遣うかもしれないという事でご辞退させていただいたのですが・・・残念・・・・

古き良きものを残したい!という私の思いはあっても、私たちには、それを受け継いで保存していく資金もなく、何の手助けもできない。

壊すのは一瞬。
けれど、そこに積み重なった時間は二度と戻らない。

「借り手がいるか分からないものにお金はかけられない」
映画の中の言葉が、胸に刺さります。

私は父が設計士だったこともあり、物ごごろついたころには建築物が大好きっ子でした。
湯灌納棺の会社を辞めて、独立するまでの間、人生のやり残しを少しでもなくそうと、職業訓練所で建築CADや図面を学び、工務店に入社して、インテリアコーディネーターのようなお仕事をさせていただいていたこともあります。たのしかったなぁ~♪

特に、古い日本家屋や、西洋のデザインの混ざった古い建物が大好きで、今回取り壊しも検討されているおうちの梁や建具を見た瞬間、ずっきゅーーーーん💛満載だったんですよね・・・・

かといって、私ごときの力でDIYして暮らせるキャパの家ではなく、耐震のことや床下の状態確認など、再利用を考えると、頭が痛くなる問題ばかり。

なので、もしも、取り壊す際には、建具などは、知り合いのセルフビルドができるおっちゃんに連絡をして、保存して再利用してもらえるようにお願いはしたのですが・・・

間取りもよくって、日当たりもよくって・・・・
西の窓からはおそらく春になると桜並木が見渡せるんだろうなぁというロケーション。
ああ、もったいない・・・・・( ;∀;)
駒井さんのような方が受け継いでくれへんやろうか・・・と思ってしまう。

世の中には、古民家で暮らしたい方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、海外の投資家に流出するだけではなく、この場所で根付いて、生活をしたりお商売をしたりしてくださる方にご縁がつながり、御所まちが素敵な街の営みを取り戻していけたらいいのになあと願うばかりです。

御所という町は、私も実際にこの場所に暮らすようになるまでは、あまりいい印象がない部分も多かったのですが、実際暮らして、町をあるいたり、ドライブしたりしてみると、本当に趣のある場所が多く、ゆっくり過ごせるとても良い場所だと実感しています。

素敵な神社もたくさんあり、山も近く、町は平坦で、御所まちにはノスタルジックな建物がたくさん立ち並んでいます。
路地を曲がるたびに、シャッターポイントがたくさんある。そんな町なんですよ♪

しかも、今はおいしいお店もたくさんあります。

ぜひ、この映画を見て、御所まちを散策しに来ていただきたいものです。

映画の内容にあまり触れないように頑張りましたが、触れた部分もめっちゃわかりにくい主観ばかりの文章となっていてすみません。

この映画は、物語というより、時間の記録のような作品でした。

そして私は今日も、
誰かの“その後の物語”を聞かせていただいております。


長くて読みにくい部分もあると思いますが、映画の感想や自分の思いも含まれる文章なので、AIに整えてもらわずに自分の言葉で書きました。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

奈良の小さなお葬儀屋さん「ツナグ葬祭」の老眼納棺師 つなぐです。
生まれ育った奈良で、これまで約17年間、たくさんのお見送りに立ち会わせていただきました。

動物が大好きで、小学生の頃から、犬と暮らしていましたが8年前に最後のわんこを見送った後、現在は6匹の保護猫と過ごしています。

両親を見送ったあとに感じた「後悔」や「虚しさ」が、わたしの原点です。
だからこそ、いま誰かを見送ろうとしている方の“後悔”を、ひとつでも減らせたらという思いで、日々寄り添わせていただいています。

その人らしいお見送りを、心をこめてお手伝いさせていただきます。

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